著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

日本人約3万人を調査「通勤スタイル」を変えるとやせる

公開日: 更新日:

 肥満の予防には適度な運動が効果的です。とはいえ、多忙な日常の中で継続的な運動を行うことは、なかなか難しいかもしれません。そのような中で、通勤に伴う身体活動は体重の維持や管理に有用であると考えられます。

 栄養科学と身体活動に関する国際的な専門誌の電子版に、通勤スタイルの変化と、身長・体重から算出される体格指数(BMI)の関連性を検討した研究論文が、2019年12月6日付で掲載されました。なお、体格指数は18・5~25未満が普通体重とされ、25以上で肥満と定義されることが一般的です。

 この研究では、30~64歳の日本人2万9758人が対象となりました。被験者の健康診断記録から体格指数が算出され、5年間にわたる通勤スタイルの変化と、体格指数の変化の関連性が検討されています。通勤スタイルは、徒歩・自転車による通勤(活動的な通勤)、公共交通機関による通勤、車・バイクによる通勤(非活動的な通勤)の3つに分類されています。

 5年間の体格指数の変化は、車・バイクによる通勤を継続していた人の0・19増加と比べて、徒歩・自転車もしくは公共交通機関による通勤から、車・バイクによる通勤に切り替えた人(非活動的になった人)では0・24増加と、より多く増加するという結果でした。他方で、車・バイクによる通勤から、徒歩・自転車もしくは公共交通機関による通勤に切り替えた人(活動的になった人)では0・1増加にとどまり、車・バイクによる通勤を継続していた人と比べても増加量が少ないことが示されました。

 この研究では活動的な通勤スタイルに切り替えることで、体格指数の減少が示唆されています。体重が気になる方は、通勤スタイルを少し変えてみるとよいかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    男性キャディーが人気女子プロ3人と壮絶不倫!文春砲炸裂で関係者は「さらなる写真流出」に戦々恐々

  2. 2

    協会肝いりゲームアプリ頓挫の“張本人”は小林浩美会長…計画性ゼロの見切り発車で現場大混乱

  3. 3

    巨人・田中将大 戻らぬ球威に焦りと不安…他球団スコアラー、評論家は厳しい指摘

  4. 4

    SixTONES新冠番組を潰しにかかるTBS日曜劇場の本気度 道枝駿佑、松本潤、目黒蓮が強力な"裏被り”連発

  5. 5

    長渕剛「理不尽と戦ってほしい」鹿児島の母校卒業生にエールも…元女優から新たな告発

  1. 6

    侍J井端監督が正捕手に据えたい大本命は…3月強化試合への招集は「打倒甲斐」のメッセージ

  2. 7

    「胎動」と「混迷」が交錯するシンドイ2年間

  3. 8

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  4. 9

    長山藍子のおかげでわかった両眼のがんを極秘手術

  5. 10

    ニセコで横行する「海賊スキースクール」…中国系インストラクターやりたい放題で認定校とはイタチごっこ