PCRだけではない 遺伝子はさまざまな検査に応用されている
新型コロナウイルスの騒ぎでよく耳にするようになった「PCR検査」は、遺伝子検査の一種です。PCR法という特定の遺伝子を増幅する方法で、微量な遺伝子でも検出できる技術であることから、ウイルスのような微量なものでも検出できるというものです。
このように遺伝子は治療薬だけでなく、検査にも使われるようになっています。一般的に、「治療法」の開発と「検査法」の開発は、初期の研究段階では同時に行います。というのも、病気の原因遺伝子がわかれば、それに対する薬(分子標的薬と呼ばれます)と検査法を同時に開発できる可能性があるからです。結果的に、原因遺伝子を見つけることは、その後の治療法にも検査法にもつながるということです。
たとえば、治療法(治療薬)の開発が難しい場合でも、検査法だけは完成するというケースもありますし、病気の原因となる遺伝子だけでなく、薬の効き目に関連した遺伝子が発見される場合もあります。
2018年12月に製造販売承認を取っている「ファウンデーションワン」という検査は、324種類の遺伝子の変化を次世代シーケンサーという新しい機器で検査して検出することで、複数のがんや抗がん剤に対する効き目の評価を一度に行うことができます。