コロナ対策“不要不急の外出自粛”で高齢者の健康が蝕まれる
外出が減り、足を動かさないでテレビを長時間見続ける生活が定着すると、静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)で亡くなるリスクが高くなる。5時間以上では2.5倍に上るという。脚などにできた深部静脈血栓が血流に乗り、肺の血管を詰まらせて胸痛や呼吸不全を起こすからだ。
精神的な影響も見逃せない。外出自粛などでイライラすると家庭内でイザコザが増えて、モルハラなども起きやすくなる。また、運動不足はもとより孤独や社会的孤立などの精神的ストレスは脳神経の働きを衰えさせ、認知症のリスクをアップさせる。
「こうしたリスクを回避するためには、外出自粛期間中は血圧、脈拍、体重を毎日チェックして体調変化に注意することが大切です。持病のある人は服薬を忘れてはいけませんが、わざわざ通っている病院に行かなくても、医師と電話相談ができます。継続薬の処方箋はファクスなどで最寄りの薬局に送ってくれるので、そこで受け取ればいいでしょう。運動は1日最低30分、ラジオ体操など定期的にやることです。散歩は人混みの多い場所を避け、マスクを着けて1.5メートル以上の間隔を取れば、控える必要はありません。新型コロナ関連の情報ばかりに浸らないようWHOは勧告しています。強い怒り、興奮や驚きで、急性心筋梗塞や脳卒中リスクは3倍以上になるとされているからです」