コロナも?歯周病でウイルス感染リスク増…歯磨きが命を守る
■口の中は受容体が多い
「われわれの口腔内ではウイルスレセプターと呼ばれるウイルスが吸着する受容体がいくつも発現します。口腔内に入ったウイルスは、そのレセプターを介して細胞内に侵入し、増殖していくのです。通常、喉など口腔内のレセプターはタンパク質からできている粘膜で保護されています。しかし、歯周病菌はプロテアーゼというタンパク質を加水分解する酵素を産生し、保護している粘膜を破壊してしまいます。その結果、口腔内のウイルスレセプターが露出して、感染しやすくなってしまうのです」
新型コロナウイルスは「ACE2受容体」というレセプターにくっついて細胞内に侵入する。ACE2受容体は上気道での発現は比較的少ないといわれているが、海外では「ACE2受容体は口腔内の粘膜、とりわけ舌に多く発現している」との論文報告がある。歯周病菌がつくり出すプロテアーゼが、新型コロナウイルスの細胞内侵入をサポートする可能性があるのだ。
また、歯周病によって起こる「炎症」がウイルス感染を助長するともいわれている。