石原藤樹
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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

暑い夏になると感染者は減るの? 新型コロナと温度の関係

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスの流行はいつまで続くのでしょうか? 流行は寒い季節から始まっていますから、夏になると感染者が少なくなるのでは、という意見があります。

 インフルエンザのような風邪は、通常低い気温で多くなり、気温が高くなると少なくなるのが一般的です。ただ、同じインフルエンザでも、2009年に流行した新型インフルエンザは季節に関わりなく流行が続きましたし、夏にはやる夏風邪というのもありますから、この問題はそれほど単純ではありません。

 温度とウイルスとの関係を調べた研究では、新型コロナウイルスは、机の表面などに付いた状態でも、37度の温度では24時間は感染力を維持していますが、これが56度になると30分で感染力を失ってしまいました。高温はウイルスに有効であるようです。ただ、お湯を飲むとウイルスが死ぬと言った人がいましたが、お湯を30分飲み続けるというわけにはいきませんから、これは現実的な意見ではないのです。

 中国で季節の温度や湿度や風などの条件と、新型コロナウイルスの感染力を調べた研究があります。それによると北半球では4月くらいが、ウイルスを含む飛沫が安定するので、一番感染は起こりやすく、5月から夏に向かうと、感染力は低下すると予測しています。ウイルス自体が夏に弱くなる、というわけではないのですが、感染力自体は今後低くなる可能性はありそうです。

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