石原藤樹
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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

米国の専門誌で研究報告 ビタミン剤で足の骨折が増える?

公開日: 更新日:

 皆さんは何かサプリメントを飲んでいますか? 恐らく最も飲んでいる人が多いのは、ビタミン剤のサプリメントではないかと思います。

 ビタミンというのは体で作ることのできない物質で、体の重要な働きを補助しています。

 その不足は多くの病気の原因となりますから、ビタミン剤を飲むことは、その不足を予防し、健康にも良い影響があると思っている方が多いと思います。

 しかし、最近ビタミン剤のサプリメントの害が、医療の世界では問題になっているのです。その代表がビタミンB6とB12です。この2種類のビタミンは、ともにホモシステインという体に有害な成分を減らすような働きがあります。

 ホモシステインが増えると、動脈硬化認知症の原因となるのです。そのためにこの2つのビタミンを多く取ることは、老化の防止になると思われました。そこで臨床試験が行われたのですが、その結果は「ビタミンを多く取ると足の付け根(大腿骨頚部)の骨折が増える」という意外なものでした。

 今年の米国医師会雑誌の関連誌に閉経後の女性のビタミンの摂取量と、骨折リスクとを解析した論文が掲載されました。それによると最もビタミンB6とB12を多く取る人は、少ない人と比較して、大腿骨頚部骨折のリスクが50%近く増加していたのです。

 ビタミンは不足もよくありませんが、たくさん取ればそれだけよいというものではないようです。

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