「苦い」食べ物で免疫が高まる可能性 専門誌に論文が
新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るっています。今のところ特効薬のような薬や有効なワクチンは開発されていません。ただ、ウイルスが体に侵入したとしても、それで必ず病気になってしまうわけではありません。人間の体には病原体を攻撃し、それを撃退する免疫という働きがあるからです。従って、新型コロナウイルスの感染を予防するには、自分の免疫を高めるということが何より重要なのです。
それでは、どうやって免疫を高めればいいのでしょうか?
今年のバイオサイエンスの専門誌に、興味深い論文が掲載されています。舌で苦味を感じる苦味受容体というタンパク質があります。この苦味受容体の刺激には、体の免疫を高める働きがあるというのです。
苦いというのは、それ以外の甘味などの味とは違って、体に有害な物質を感知するような体の仕組みです。苦いものをすぐに拒否して吐き出すために、その機能はあるのです。
実は舌だけではなく全身に同じ苦味受容体があって、それぞれの部分で免疫を高める働きを担っているのです。
新型コロナウイルスに有効とされるクロロキンという薬がありますが、この薬も苦味受容体を刺激する働きを持っているのです。ゴーヤーや山菜など、苦い野菜を食べることで、免疫を高めることができるかも知れません。