肛門<下>痔の予防は食物繊維 上手にとるには野菜より海藻
■加齢とともに発酵食品が重要に
野菜の場合は、火にかければかさを減らし、一度に摂取できる食物繊維を増やすことができる。野菜の煮物、具だくさんの味噌汁や鍋、ミネストローネなどのスープ類、カレーやシチューなどで取るといい。
腸内細菌を考えた食事の取り方も、便秘や下痢(切れ痔や痔ろうになりやすい)の予防になる。腸内細菌には、乳酸菌やビフィズス菌などの腸や体にいい「善玉菌」と、ウェルシュ菌や大腸菌などの腸や体に悪い「悪玉菌」、それから善玉菌にも悪玉菌にもなりうる「日和見菌」がいる。
「一般的に年を取るほど善玉菌が減り、悪玉菌が増えてきます。善玉菌を増やす食生活を心がけていると、便秘や下痢の予防・改善効果があることが分かっています。善玉菌を増やすポイントは、①『発酵食品』②『乳糖』③『オリゴ糖』④『食物繊維』を、どれも多く取ることです」
味噌や醤油、塩こうじ、ぬか漬け、キムチ、納豆、チーズなどの発酵食品には乳酸菌が豊富に含まれている。赤ちゃんの腸内細菌の95%はビフィズス菌で占められている。それは母乳に含まれる乳糖を飲んでいるから。その乳糖を多く含んだ食品の代表が、ヨーグルトなどの乳製品だ。また、ヨーグルトにはビフィズス菌を増やす因子である「ラクトフェリン」なども含まれているという。