失明リスク高い「加齢黄斑変性」はサングラスと食事で予防
さらにこの試験では、「どれくらいの割合の人が、12週間隔のまま継続できるのか」も調べた。もし12週間隔で血液や水が漏れるようなら投与期間を短くしなければならないが、試験では55・6%の人が12週間隔を1年間継続。2年継続できた人も45・4%いた。
「最初から薬がよく効いた人では、85・4%が1年間、12週間隔を継続できました」
つまり、従来薬と同じ、人によってはそれ以上の効果が得られながら、患者が求める「医療費などの経済負担の軽減」「通院する時間的な余裕」「注射回数の軽減」が実現できる可能性が新薬にはあるのだ。
「安全性に関しては、先に承認されたアメリカでは網膜血管炎や網膜血管閉塞が、少ないですが報告されています」
薬の投与は慎重にしなくてはならないが、治療の選択肢が増えたことは喜ばしい。
加齢黄斑変性は、予防も重要。発症リスクを高める要因には加齢のほか、喫煙、野菜や果物など抗酸化作用のある食物の不足、悪玉と呼ばれる脂肪の過剰摂取、日光暴露、運動不足や肥満がある。加齢は避けようがないが、禁煙や食事改善、サングラスなどで日光遮断、運動、肥満解消などは取り組める予防策だ。