「オンコサーミア」とは?進行再発乳がん患者3割に効果
「手術」、「化学療法」、「放射線治療」、「免疫療法」――。治療効果が実証されているがんの標準治療にはさまざまな手段がある。それ以外にも実証研究数が少ないがために、その効果が認知されていない治療法がある。そのひとつがハイパーサーミア(温熱療法)だ。単独でも治療効果があるが、標準療法と併用することで相乗的に効果を発揮する。今回は、ハイパーサーミアから派生したオンコサーミアについて富山大学附属病院オンコサーミアセンターで臨床研究と自由診療を手掛けた、現・東邦大学大橋医療センターの長田准教授に聞いた。
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オンコサーミアは低出力の電磁波を使って体の深部にある悪性腫瘍をアポトーシス(自死)に導く深部ハイパーサーミアのこと。ハンガリーで開発され、韓国など世界30カ国で実施されている治療法。日本では富山大学などで行われている。
「この治療法はがん細胞を放射線や抗がん剤という『毒』で破壊するのでなく熱により、もともと細胞に備わっている仕組みを刺激して自死を促す方法です。なので、何度でも使えて副作用がほとんどないことがメリットです」