「オンコサーミア」とは?進行再発乳がん患者3割に効果
それによると、治療が週2回が7例、3回が3例で、平均治療回数は53回。10例中6例が抗がん剤や放射線との併用で行われ、そのうち2例で顕著な腫瘍縮小がみられ、1例が変わらず、3例が治療期間中に増悪した。本人の希望でオンコサーミア単独治療だった4例のうち1例は腫瘍が顕著に縮小、2例が変わらず、1例は増悪した。腫瘍の縮小がみられた3例のうち1例は20年間治療拒否した末にオンコサーミアだけを受けて根治手術が行えるまでに腫瘍が縮小した例で、手術後の再発は認められていないという。
「オンコサーミアはがんが散らばったり、長く抗がん剤を使ったりして耐性が生じたときなどに効果がでやすいようです。(微小管に結合し、微小管の重合促進・安定化をもたらし細胞分裂を阻害する)タキサン系抗がん剤やmTOR阻害剤を研究しましたが、タキサン系抗がん剤がよく効く印象があります」
ちなみに、オンコサーミアは投薬や放射線と同時期に行う方が良いとされている。
「研究を重ねて、どんな人に効いて、どんな人に効かないか、がわかればこの治療法は広まると思います。その意味では大会を機に患者さんや医療関係者にこの治療法に興味を持ってもらいたいと思います」