著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

便の検査で血が混じったら「どこからの出血なのか」が問題

公開日: 更新日:

 私が小学生の頃、先生から便をマッチ箱に入れて学校に持ってくるように言われ、便の検査が行われました。当時は、寄生虫を調べるためで、寄生虫かその卵がいた場合、それを駆除する薬を飲まされたと記憶しています。その当時、先生から便を持参するように言われると、私は前の晩から困りました。水洗便器のない時代なので、普段のようにくみ取り式の便器で用を済ませると、便は深い穴の暗闇に落ちてしまって採れません。便をわずかに採るためには、新聞紙を敷いて、そこにお尻を出して便をすることになります。私は便秘症ではありませんでしたが、敷いた紙の上にはどうにも便が出せません。当日の朝になって試してみましたが、やっぱりそれでは便が出ないのです。

 私は泣きそうになって、「便が出ない。先生が必ず持ってくるように言っていた。どうしよう」とうろたえました。すると、父が便所に行き、父の便をマッチ箱に入れて出てきました。そして、「これを持って行きなさい」と私に差し出したのです。私は喜んでマッチ箱をランドセルに入れて学校へ向かいました。

 亡き父には謝りたいことはたくさんあるのですが、この一件でもいまだに「ごめんなさい」という気持ちです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  2. 2

    ニデック永守重信会長の堪忍袋の緒が切れる? 「売上高4兆円」達成に不可欠な牧野フライスの買収が難航中

  3. 3

    巨人・田中将大の早期二軍落ちに現実味…DeNA二軍の「マー君攻略法」にさえなす術なし

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    茨城県知事の異常な県政を朝日も毎日も報じない不思議…職員13人が自殺?重大事件じゃないか!

  1. 6

    立憲民主党の凋落は自民党以上に深刻…参院選改選組が国民民主党に露骨なスリ寄り

  2. 7

    小芝風花&松坂桃李は勝ち組、清野菜名は貧乏クジ…今期ドラマ「トップコート」所属俳優の泣き笑い

  3. 8

    阿部寛「滑舌問題」はクリアできそうだが…新日曜劇場『キャスター』で国民的俳優が試される“唯一の心配事”

  4. 9

    浜田雅功の休養の裏で着々と進む松本人志との"今夏ダウンダウン完全復帰計画"…プラットフォームに本腰

  5. 10

    誰トク?広がる地方私大の公立化…見送られた千葉科学大は「加計学園」が運営撤退も大学存続