年末の定番「ドイツ語での第九」飛沫感染リスクは大丈夫?
マスクについては通常のマスク(不織布、布、ポリエステルのいずれも)は勢いのある飛沫を遮断する効果が高いが、マウスシールドや下部の開放が広いマスクはそれほどでもなく、特にドイツ語での飛沫抑制効果は課題を残したという。
飛沫数は前方1メートルでは口元の約50分の1以下となり、特に5マイクロメートル以上の大きさの飛沫は計測されなかった。
全日本合唱連盟は、これとは別に9月8日に「合唱活動における新型コロナウイルス感染症拡大防止のガイドライン」を発表している。そこには興味深い検証研究事例が掲載されている。
たとえば、「東京都交響楽団」が発表した「COVID―19影響下における演奏家再開に備えた試演」の粒子計測では、歌手および楽器から発生する飛沫の計測結果では男性歌手が発する飛沫の数および頻度が最多。歌い方により飛び方は異なり、ドイツ語の朗々とした歌い方ではそれほど多くなく、イタリア語の破裂音が多い曲では多くの飛沫が見えた。大きめの粒子はほぼ真下に落ちる一方で気流に乗る小さな粒子もあり、顔付近の粒子濃度が増えていく様子が観察された。別の実験ではソプラノ、テノール共に口元で最も多くの微粒子が測定されている。