脳<上>個人個人の努力次第で認知症の患者数は35%減らせる
「糖尿病」は認知症のリスクを1・5~2倍高める。特にヘモグロビンA1c値が7%以上の人は、それ以下の人に比べて認知症の発症頻度が約5倍高いという研究結果がある。また、低血糖も要注意で発作を3~4回繰り返すと、認知症のリスクが一気に高まるというデータがあるという。
認知症のリスクが1・9倍と、意外と高いのが「難聴」。脳に入ってくる情報(音)が少ないと、頭を使って考えることが減り、神経細胞でネットワークがつくられる活動が衰えるからだ。実は30代から聴力の低下は始まっていて、高い音からだんだん聞き取りにくくなってくる。聞こえが悪くなったら、ためらわず補聴器を使うことが認知症の予防になる。
■カレーとシークワーサーが効く
食品による認知症予防についても、国内外でさまざまな論文が発表されている。中でも注目されているのが「カレー」だ。
「カレーが黄色いのは、香辛料のターメリック(ウコン)の色です。そのターメリックに含まれている『クルクミン』というポリフェノールの一種には、抗酸化作用、抗炎症作用があり、これが認知症予防に効くのではないかと考えられているのです。その効果は、細胞レベルでの実験、動物実験、疫学調査の3つの面から明らかにされています」