睡眠は長くても短くても認知症の危険が増す 米で最新論文
皆さんは、毎日何時間くらい眠っていますか? 健康な睡眠は実は脳の機能の重要なバロメーターのひとつです。
昼間の眠気や居眠りについては、認知症の危険性や認知機能の低下と関連があるという、多くの報告があります。
夜に夢を見て実際に暴れたりする症状を「レム睡眠行動異常」と言いますが、それが認知症になる前から出現している、という知見もあります。
つまり、睡眠の状態と認知症というのは、意外に深い関係があるものなのです。
それでは、睡眠時間は長い方がいいのでしょうか、それとも短い方がいいのでしょうか?
2017年に発表された論文では、「睡眠時間が長いほど認知症の危険は増す」という結果になっていました。
今年の米国医師会関連の医学誌に、イギリスと中国の大規模な疫学データを、まとめて解析した最新の論文が掲載されています。
それによると、1日7時間の睡眠時間を標準とした時、4時間以下と短くても、10時間以上と長くても、いずれもその後の認知機能低下の危険性は高くなっていました。
九州の「久山町研究」という、日本の代表的な住民健康調査のデータがあり、その解析でも同様の傾向が過去に報告されています。
睡眠時間が長くても短くても、認知症の危険は増す可能性がある。そう考えておいた方がよさそうです。