日本でコロナ死が少ない理由「日本脳炎ワクチン」の可能性
「この日本脳炎ワクチンが新型コロナにも有効な可能性がある」と、江戸川病院の加藤正二郎院長が説明する。
「フラビウイルスは、コロナウイルスと同じ『+鎖のRNAウイルス』です。日本脳炎ワクチンによってフラビウイルスに対する免疫ができていると、新型コロナウイルスに対しても交差免疫が働き、重症化や死亡率を低減させるのではないかと考えています。日本と同じように日本脳炎ワクチンの予防接種が広く実施されている中国、韓国、ラオス、スリランカ、タイ、ベトナムなどは、実施していない国々と比べて死亡率が低いのです」
■北海道は定期接種が行われていなかった
日本における日本脳炎ワクチンは、1954年から推奨接種が行われ、67年から76年には特別対応の予防接種、95年からは集団接種から個別接種となった。
その後、重篤な副作用との関連が指摘されたことで2005年に接種が一時見合わせとなったが、安全性の高い新ワクチンが開発され、10年からは接種の積極的勧奨が再開された。