矢方美紀さん 25歳で乳がんに「世界の見え方が変わった」

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 そういえば、こんなこともありました。放射線治療を受けている時、いつものように腕を頭の上に上げて台にあおむけになっていたら、技師さんが唐突に「乳がんダイアリーを見ました」と言ってくれたんです。病院の技師さんも番組を見てくれているんだと知って、すごくうれしかった。ただ、「このタイミングで言う?」って思いましたけどね(笑い)。

 今後は恋もしたいですし、結婚や出産もしたい。ただ、パートナーにどのタイミングでどう話すかということは悩みの種。体調の波も含めて理解してもらえるか、ホルモン治療中は妊娠できないし……などなど、いろいろ考えると現状は男性とお付き合いもできません。

 病気にならなかったら知らなかった世界や考えもしなかった事柄に、今、向かい合っています。

(聞き手=松永詠美子)

▽やかた・みき 1992年、大分県生まれ。名古屋を中心に活動するアイドルグループSKE48の元メンバー。2017年にSKE48を卒業後、18年に病気が発覚。治療の日々を2年にわたり“自撮り”して発信したNHKオンライン番組「#乳がんダイアリー」が注目される。現在は声優やラジオパーソナリティーとして活躍中。近著に原案を担当した漫画「27歳のニューガン・ダイアリー~ボクの美紀ちゃんが乳がんになった話~」(講談社コミックプラス)がある。

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