「もしも」の時も慌てて救急車を呼ばずに主治医に電話を
連絡いただいた電話で、食欲や体温や排便・排尿についてうかがい、往診の必要の有無を判断します。連絡いただいた内容はカルテにも記載しているのでその後の診断にも役立ちます。
最後に、「慌てて救急車を呼ばない」。
救急車の方が速くて安心と考えがちですが、受け入れ先の病院を探すのに時間がかかった揚げ句、到着後、医師の診察を受けられるまでさらに時間がかかるのは珍しくありません。救急車を電話で呼んでから診察まで30~40分もかかった……という場合もあるのです。初診であれば、もっと時間がかかります。
その点、在宅診療では医師が現場に到着するまで20~30分ほどで、顔なじみの医師や看護師がうかがい、診察もスムーズに進みます。
仮に容体が変化し病院への搬送時に死亡した場合は、病院側では受け入れてもらえず、最悪の場合は警察署に移送され、遺体安置所で主治医が死亡診断書を書くなんてことにもなりかねません。そうなれば遺体は警察署に留め置かれ、すぐに帰宅できない場合も。
朝起きたら患者さんの息が止まっていた――となると、びっくりして救急車を呼びたくなる気持ちはわかりますが、まずは診療所に連絡してください。死亡診断書は在宅の主治医が書きます。
在宅診療は常に患者さんやご家族に寄り添います。いろいろ話して相談してください。多くの方から、自宅で過ごせてよかったという声をいただいています。ぜひ、いろいろな気持ちを話してください。