大坂なおみが世界のメンタルヘルス意識を変える理由
大坂なおみが全仏オープンテニスを棄権したニュースは、心の病気への意識を大きく変貌させようとしています。
大坂なおみが当初「試合後の記者会見に参加しない」と宣言した時、称賛の一方で、批判も強くありました。テニス連盟は大坂に対し高額の罰金を科し、態度を変えないならトーナメントからの除名もにおわせるなど“強い球”を打ち返しました。
ところが棄権したのは大坂の方でした。そして「長いうつで苦しんできた」と告白したことで誰もが目が覚めたのです。
その瞬間、世界の論調は大きく変わりました。テニス連盟には批判が集まり、同じテニススターのセリーナ・ウィリアムズから、NBAバスケットやサッカーなどの有名選手までが、賛辞と温かい励ましのメッセージを送りました。
背景にはほとんどクローズアップされることのなかったプロアスリートのメンタルの問題があります。彼らの35%が何らかのメンタルの問題を抱えているともいわれ、しかし心の病へのスティグマから、なかなか公にできないというのがこれまでの現状でした。