接種開始から11カ月 ワクチン先進国イスラエルの現状は?
では、2月時点でのワクチン効果はどう考えられていたのか?
2月下旬には世界的権威のある医学雑誌「ニューイングランドジャーナル誌」に2020年12月20日~2021年2月1日にワクチン接種を受けた約60万人と、年齢・性別や居住環境、併存疾患の数などの背景を一致させたワクチン未接種者約60万人のその後の新型コロナウイルス感染症の状況を調査した結果が報告されている。
それによると、ワクチン接種することにより、PCR陽性者を92%、軽症を94%、入院を87%、重症を92%抑えることができた、という。
その後も同国ではワクチン接種がどんどん進み、7月27日には国民の57%にあたる532万人が2回目接種を完了した。
ところがより感染力の強いデルタ株が登場、新規感染者の95%を占めたため6月下旬には新たに12~15歳へのワクチン接種が推奨された。
同国保健省の調査・分析によれば、その時点のファイザー製ワクチンは、入院88%、重症化91%を抑えられたものの、感染防止効果は39%、軽症抑止効果は41%とした。調査はデルタ株の感染拡大が認識された6月以降のデータに基づいて行われた。