オシメをして舞台に…俳優・江藤博利さんが膀胱がんとの闘病を振り返る
無事に千秋楽を終えたその夜に、初めてみんなに事情を話して翌日から入院する旨を告げたので、全員が驚いていました。ただ、「見舞いには来るな」と言いましたよ。気を使わせるのが嫌だったんです。劇団員はお金がないですから(笑い)。
幸い初期の膀胱がんだったので、1時間半ぐらいの手術と1週間の入院で済みました。手術も部分麻酔で尿道から内視鏡を入れて腫瘍を切るだけ。でも、退院後の検診で腫瘍が取り切れていないことを告げられ、1カ月後に再手術となりました。
説明によると1回目は部分麻酔だったので無意識に脚の神経がピクピク動いてしまい、誤って神経を切る可能性があったため取り切れなかったとのこと。そんなわけで2回目は全身麻酔でした。
2回分の手術費がかかったことは理不尽だと思いましたが、保険に入っていたので結果オーライでした。若い頃は保険なんていらないと思うタイプでしたけど、結婚したときにたぶん加入したんでしょうね(笑い)。助かりましたよ。だから、若い人も保険には入ったほうがいいと思います。
術後の痛みなどは一切なく、食欲も旺盛でした。食事制限はまったくなかったんですけど、病院の食事は味気なくて、自分にとっては物足りなかった。カミさんが大量に持ってきてくれるふりかけやキムチなどの「ごはんのお供」にどれだけ助けられたことか。病室でもやることがなくて、持ってきてもらったビデオをひたすら見ては、当時は病院にもあった喫煙所へ行ってたばこを吸っていました。