外反母趾が痛い…どのような症状で手術が必要になるのか
外反母趾は、足の親指(母趾)の付け根部分が小指側に曲がり、痛みが生じる疾患です。突出部が靴に当たって炎症を起こし、ひどい場合は靴を履いていなくても痛みます。ヒールの高い靴や硬い素材の靴、サイズの合っていない靴を履いていることで、親指の付け根から先が圧迫されて変形するのが原因です。
同様の症状で、親指が急激に赤く腫れる場合、痛風発作や強剛母趾の可能性もあります。整形外科ではレントゲンを撮って親指が小指側に20度以上曲がっているものを「外反母趾」と定義づけることが多いです。
予防としては、サイズが合っていて、親指の付け根がフィットし、先は締め付けすぎず適度にゆったりとした靴を履くことです。すでに外反母趾になっている場合、悪化を防ぐためにはインソールを作って、母趾の付け根(足裏)にある骨の間の筋肉を鍛える必要があります。
手術が必要になるのは靴が変形しているようなケースです。
代表的な方法は「骨切り術」という変形で出っ張ってしまった中足骨(足の指の付け根の骨)を切って、骨の位置をずらし、変形した骨の形を矯正し、ピンを入れ固定します。手術は腰椎麻酔か局所麻酔をかけるため、入院する方が多いですが、日帰りで行う施設もあります。
▽大井雄紀(おおい・たかのり)2004年兵庫医科大学卒業。08年宝塚市立病院整形外科、15~19年兵庫医科大学整形外科助教、18年兵庫医科大学整形外科外来医長などを経て、現在は大井クリニック院長を務める。