感染症が地域の血液型を淘汰した? マラリアやコレラが証明
新型コロナと血液型の関係も、この流れに沿って明らかになってきたのです。
ただ残念なことに、日本は1970年代に登場した血液型性格診断が災いして、病気と血液型の研究は極めて低調のままです。血液型と性格が相関するという科学的根拠はありませんが、日本人の間では広く信じられています。そのため逆に、輸血と臓器移植以外で血液型を持ち出すことは、日本の学会ではタブーになってしまいました。
今日に至っても、公式の場で血液型の話を口にすると、エセ科学、トンデモ科学のレッテルを貼られかねません。そのため日本人の病気と血液型の関係は、ほとんど分かっていないのです。
しかし世界では、血液型と病気の関係が続々と解明されています。血液型と関連が深い感染症は、マラリアとコレラのほかに、天然痘、結核、インフルエンザ、ノロウイルスによる胃腸炎、大腸菌O157感染症、ペスト、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)感染症などがあります。さらに一部のがんや、脳梗塞や心筋梗塞などのリスクも、血液型によって違ってくることが分かってきました。