中高年の多くが悩む「凍結肩」…患者からよくある3つの質問
中高年の肩の痛みの中で頻度の高い「凍結肩」。患者さんから次のような質問をよく受けます。
①凍結肩は自然と治りますか?
凍結肩の具体的な困りごとは、主に「痛み」と「肩が固まって動かない」の2つです。
凍結肩を特に治療せず放置した場合、医学的には「痛み」と「動き」は発症から最初の3カ月ほどで速やかに楽になるとされています。
発症3カ月以降については、引き続き「痛み」と「動き」は改善されてはきますが、最初に比べると回復の速度は遅くなってしまうようです。
つまり、自然回復の度合いは一定ではないものの、放置しても改善します。ただし、発症から1~4年ほど観察した時点での最終結果では、発症前の肩と比べると、完全なところまでは治りきれていなかったといわれています。
②凍結肩が再発することはありますか?
一度治った凍結肩が、再発することは考えにくいです。
時折、「以前五十肩になったことがあるが、またかかった」という患者さんがいますが、この場合の「以前の五十肩」は、一時期、肩が痛くて動かしづらかったことを漠然と指していると思われます。それは、具合が悪い」というときに「風邪」を思い浮かべるのに近いものです。
肩の専門家がしっかり診察すると、肩の痛みを「五十肩」でひとまとめにできず、さまざまな原因があります。きちんと診断のついた「凍結肩」とは異なる可能性が高いです。
③左(右)肩が凍結肩になりました。右(左)肩も凍結肩になることはありますか?
せっかく片側の凍結肩が治ったのに、今度は反対側にも凍結肩を発症することはあります。中には、同じタイミングで左右両方の肩に凍結肩を発症する患者さんもいます。両方の腕がろくに使えないため不自由さも人一倍かと思われます。積極的に治療に臨むのが望ましいかと考えます。