LOUDNESSドラマー鈴木政行さん 脳梗塞から奇跡の復帰を語る
つらかった時期、一番覚えているのはメンバーに「ずっと待ってるで」と言われたことです。スタッフやファンの人にもたくさん元気をもらいました。
ただ、復帰に向けてドラムの前に座っても、右半身麻痺と感覚障害で体幹も壊れていて右手も右足も思うようにならず、まっすぐ座ってもいられなかった……腹が立って何度も涙が出ました。
でも、今は普通に叩けるようになったんです。高速ドラムはまだですが、少しずつライブ演奏もできるようになって、それがいいリハビリになった。ヘビーメタルのツーバスドラマーで本当によかったです(笑い)。
薬はケタスカプセル(脳血流をよくする薬)とメチコバール(傷ついた末梢神経を修復する薬)を1日3回飲んでいます。最初は右腕が胸の前でギューッと固まっていたので、指が動いてドラムスティックが持てるようになったことは奇跡です。先生に「ここまで回復した例はない」と言われました。
5月からの全国ツアーはサポートドラムなしでフルステージをやる(!)と決めています。大切な人を信じて、自分の考えを信じて、「LOUDNESSで世界一になる!」を信じて活動していきます。 (聞き手=松永詠美子)