足がくさい…臭いで深刻な病気かどうか分かるのか?
足の裏の臭いがくさい場合、一般的には皮膚の病気が原因である可能性が高いといえます。多いのは「白癬」で、いわゆる水虫と呼ばれます。足の皮膚にカビの一種である白癬菌が感染し、赤い水っぽい発疹が出来てかゆみも生じます。皮膚に細菌感染を起こすことで、足に雑菌を繁殖させて臭いの原因になるのです。
また、手のひらや足の裏に膿がたまった膿疱や水疱が生じる「掌蹠膿疱症」も、歩行時の衝撃などで潰れるとそこから雑菌が繁殖し、臭いを放出することがあります。
「点状角質融解症」では、皮膚の角質内に細菌が繁殖し、皮膚に数ミリ大の小さな穴ができます。穴の中で雑菌が増え、臭いを放つ膿が生じて、痛みと悪臭を伴うのが特徴です。
いずれも、人によって臭いの感じ方はさまざまで、「甘酸っぱい」「腐敗臭」「アンモニア臭」などと表現される場合が多い印象です。
皮膚の病気以外では、過剰な汗が分泌される「多汗症」でも、足の裏の汗が多くなって蒸れることで臭うケースがあります。
深刻な病気でいえば「糖尿病」があげられます。合併症の症状として、血液循環障害や末梢神経障害により、歩行などでできた足の裏の傷から細菌感染を起こして臭いが生じます。傷口から膿が流出して強い悪臭を放ちますが、多くはすでに糖尿病が進行している患者さんで見られるケースなので、炎症がひどいのに本人は痛みやかゆみなどの症状を感じにくくなっています。「足の臭いが気になる」と、水虫を想定して皮膚科を受診したときに発覚するケースもあります。手遅れになれば壊疽状態となって、切断を余儀なくされる場合もあるので注意が必要です。