頭にかぶる「ヘルメット形PET装置」認知症の診断で期待される
Vrainは椅子型の装置で患者は座ったままの姿勢でいると、上から帽子をかぶるようにヘルメット形の検出器部分がゆっくり下りてきて、検査が始まる。静脈から検査薬を注射するなどの検査手順は従来と同じだ。
従来のPET装置に必ず組み込まれていたCTが不要なので、被ばく量を従来の数分の1に抑えることに成功。装置の設置面積も約5分の1になった。そして、最大の特徴は世界初の頭にかぶる半球形の検出器。これは世界最小(直径約28センチ)で量研の特許技術だ。
「従来の装置は患者さんが直径80センチくらいの検出器リングをくぐりますが、頭部と検出器の距離が大きく開くので画像の解像度が低くなります。一方、Vrainの検出器は頭部にフィットするので分解能が向上し、非常に高画質の描出が可能になりました」
頭部専用に特化したことで装置の価格が安く抑えられ、設置場所も省スペースで済む。将来的に認知症診療の進歩とともに、主にクリニックの導入が期待される。