地方に波及する梅毒パンデミック 年内に1万人感染の可能性も
梅毒は妊娠中に感染すると、母体を通じて胎児に障害が出たり、死亡することもある。
「日本産婦人科医会が行った妊娠中の梅毒感染症に関する実態調査(15年10月~16年3月)によると、19歳以下の妊婦の場合の感染率は537分の1に対し、20代は2449分の1、30代は8091分の1、40代以上は6012分の1と、若い女性の分娩妊婦の梅毒感染率が高くなっています。梅毒に感染した母体から胎児への感染リスクは60~80%と非常に高くなります」
梅毒は3~6週間の潜伏期間を経て性器にしこりや潰瘍ができ、放置すると全身に多様な皮疹、粘膜疹などが出現。脳や心臓に障害が出て最後は死亡する。
「いまは梅毒の世界標準治療である『ベンジルペニシリンベンザチン筋肉注射薬』(ステルイズ水性懸濁筋注)が承認され、注射1本で治療が完結することも可能です。恥ずかしい、めんどくさいなどと思わずに心当たりのある人はすぐに受診してください」