本当にワクチンは不要? 不信感が強いいまこそ丁寧な説明が必要
「このデータから感染を防ぐ効果や重症化を防ぐ効果があることは明らかですが、接種効果を維持するには数カ月でこの先何回も打たなければ身を守れないことに注目し、うんざりした日本人も多かったのではないでしょうか。オミクロン株の大流行の結果、接種効果を実感できていない日本人も多いと思います。さらに、ワクチン接種部位の痛みや腫れ、発熱や倦怠感などの副反応が強調される一方で、接種後に感染する人が一定数いることは、ワクチンの目的からすると当然のことだという報道がほとんどありません。ウイルスがアルファからオミクロンまで姿を変えたのに、1年前に開発されたワクチンで効くのか、との不安もあると思います」
しかも、ワクチン接種歴別の新規陽性者数のデータ解析方法の問題点を指摘され、4月11~17日分を境に数字が変わり、改めて計算したところ日本のワクチン効果について混乱が生じた。
「政府は定期的にワクチン接種歴別の新規陽性者数を公開していますが、最新の5月25日公開のデータを見ると、40代、60代、70代ではワクチン未接種者に比べて、2回接種者は10万人当たりの新規陽性者数が多かった。そのため、ワクチンの効果はないと考えた人もいるかと思いますが、2回目接種から6カ月以上経てば感染予防効果がなくなったとも言えます。むしろ注目すべきは、3回目接種済みを除く2回目接種者と3回目接種者を比較すると、すべての年代で新規陽性者率は明らかに低下していることです」