病気が原因の「物忘れ」と健常者の「ど忘れ」何が違うのか
料理をまったくしない・関心がない人が、キャベツをレタスと言い間違えても、以前からそうであったなら、特段おかしなことではありません。「覚えていて当たり前」ということは、十人十色なのです。
■「変化」を見逃さない
では、「認知症かもしれない」と疑うべきは、どういうときか? 前回の本欄でも触れましたが、重要なのは「変化」です。以前は難なくできていたことができなくなってしまう。これまでの暮らしぶりや仕事ぶりに比べて、何かが違う。そしてそれが、頻回にある--。もしそうだとしたら、認知症の始まりかもしれません。
具体的に挙げましょう。「なぜかイライラする」「眠れなくなる」「外出がおっくうになる」「趣味に楽しさを感じなくなる」「ど忘れが増える」「同じことを何度も聞くようになる」など。
「ど忘れ」は、認知症でなくても起こり得ますが、約束していたことをすっぽかしてしまう、それを何度も繰り返す。「なんで忘れちゃったの?」と聞かれてもそもそも約束していたこと自体を思い出せないようなら、それは見逃せない変化だと思います。