高齢者に対する新型コロナワクチン4回目接種の有効性は?
新型コロナウイルス感染症は、高齢者や持病を抱えている人で重症化しやすいことが知られています。そのため、60歳以上の方や持病のある方を対象に、重症化予防を目的とした4回目のワクチン接種が、2022年5月25日から開始されました。
ワクチンの4回接種の有効性については、イスラエルで行われた研究によって、新型コロナウイルスの感染リスクや重症化リスクの低下が報告されていました。しかし、高齢者といっても健常な方から、介護施設で療養している方までさまざまです。特に介護施設では集団感染の発生リスクが高く、また入居者の多くが持病を抱えており、新型コロナウイルス感染症が重症化しやすい人といえるかもしれません。
そんな中、新型コロナウイルスワクチンの4回接種の有効性について、介護施設に居住している高齢者を対象とした研究論文が、英国医師会誌の電子版に22年7月6日付で掲載されました。
カナダで行われたこの研究では、介護施設626軒で療養している60歳以上の高齢者のうち、PCR検査で新型コロナウイルス(オミクロン変異株)が陽性だった1万3654人と、検査が陰性だった20万5862人が比較されています。研究参加者のワクチン接種状況を調査し、新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの有効率が解析されました。