著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【アカントアメーバ角膜炎】コンタクトレンズは正しく使わないと原虫に感染するケースも

公開日: 更新日:

「アカントアメーバ角膜炎」とは、アカントアメーバと呼ばれる原虫に感染することで発症する角膜感染症で、ソフトコンタクトレンズの扱い方が悪いことが原因になり発症するケースがほとんどです。

 アカントアメーバは、池、川、水道水などの中に広く生息しています。水道水はもともと無菌の水ではありません。塩素で消毒してはいるものの、一定の微生物が含まれているのです。ですから、ソフトコンタクトレンズを使用する場合は水道水を使うのは避け、専用の洗浄液を用いることが大切です。

 使い捨てのものを数日間使用する、専用の洗浄液を使わずに水道水で洗うといった行為を続けると、コンタクトレンズがアカントアメーバに汚染されるリスクが高くなります。川やプールにコンタクトレンズを装着したまま入ることも、アカントアメーバ角膜炎の原因になります。

 汚染されたコンタクトレンズを装着するとアカントアメーバが角膜へと移り、角膜炎が発症します。ただ、感染してしばらくは自覚症状が現れません。症状が出る頃には病状が進行しているケースが多いので、コンタクトレンズを使用している人は定期的な眼科検診が大切です。

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