遠のくシルバーシート…将来的に高齢者は「75歳」からになる
そんな政府の動きと前後して、日本老年学会と日本老年医学会が共同で、次のような新区分を提案しています(2017年)。
■65~74歳 准高齢者
■75~89歳 高齢者
■90歳~ 超高齢者
高齢者の健康や医療の専門家集団が、公式に「高齢者は75歳以上」と言い出したのですから、外堀は着実に埋まりつつあると思ったほうがいいでしょう。いま50代の人は70歳まで、40代の人は75歳まで働き続けるのが当たり前になってくるはずです。
いや、すでにそうなりつつあるのです。総務省の統計によれば、2017年における高齢者(65歳以上)の就業率は、日本が主要国の断然トップで23.0%でした。いまや高齢者の4人に1人が仕事をしているわけです。70歳定年は、すぐそこまで迫っています。
もちろん、できるだけ長く仕事を続けたいという人も大勢いますから、定年延長自体が悪いわけではありません。しかし働き続けるためには、健康を維持する必要があります。また仮に「高齢者は75歳から」と決めたとしても、それ以前に体力や気力がなくなってしまっては、あまり意味がありません。その点はどうなっているのでしょうか。