注目の「機能性表示食品」フードロスの解決も期待できる
このような、新たな食感を与えるためのもうひとつの成果として、注目されているのが新素材「ナタピューレ」の開発である。開発者の一員である農研機構食品研究部門バイオ素材開発グループ長の徳安健氏が言う。
「農産物は変質しやすくフードロスになりやすい。そのため乾燥粉末化して、味、栄養、色、香りの維持に努めていますが、食感が消失し、固形化しづらいためその用途は限定的です。そこで、私たちはナタデココを使った『ナタピューレ』と呼ぶ新たな素材を開発。乾燥粉末化した農産物に再び繊維質の食感と固形化を取り戻せるようにしました。3Dフードプリンターなどを使えば、自由に形を整えられ用途が広がる。形が悪くて市場に出せなかったものなどフードロスも解消、新たな機能性表示食品作りの強い味方になるはずです」