最新の8K内視鏡は安全性を高めて手術の完成度を向上させる
実際に使用してみると、4Kと8Kでは相当な違いがあります。人間の視力で換算すると、4Kは2.0程度、8Kは4.3程度に相当するといいますから、8Kは人間の肉眼をはるかに超える映像を得られます。
手術の際、目的の箇所に焦点を合わせてしっかり見ている時は、4Kも8Kも解像度はそれほど変わらない感覚です。しかし、4Kでは焦点を合わせている箇所の周辺は外側にいけばいくほどぼやけていくのに対し、8Kではそのぼやけがまったくありません。焦点を合わせている箇所以外まですべて詳細に見えるため、切開すべき最適なポイント、切開してはいけない部分がはっきりわかります。大体このあたりでいいだろう……といったような曖昧な操作をしなくなるので処置の正確性が増し、安全性も高まり、手術の完成度の向上につながるのです。広い視野で肉眼以上の映像が見えているわけですから、医師にとっては手術そのものが怖くなくなる感覚があるでしょう。
また、モニターだけで患部の超高精細な画像を確認できて、処置している箇所を自分でのぞきこまなくても済むので、一定の姿勢で手術を進めることができます。姿勢の変化が少ない分、手術そのものが楽になる印象です。