著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

最新の8K内視鏡は安全性を高めて手術の完成度を向上させる

公開日: 更新日:

 実際に使用してみると、4Kと8Kでは相当な違いがあります。人間の視力で換算すると、4Kは2.0程度、8Kは4.3程度に相当するといいますから、8Kは人間の肉眼をはるかに超える映像を得られます。

 手術の際、目的の箇所に焦点を合わせてしっかり見ている時は、4Kも8Kも解像度はそれほど変わらない感覚です。しかし、4Kでは焦点を合わせている箇所の周辺は外側にいけばいくほどぼやけていくのに対し、8Kではそのぼやけがまったくありません。焦点を合わせている箇所以外まですべて詳細に見えるため、切開すべき最適なポイント、切開してはいけない部分がはっきりわかります。大体このあたりでいいだろう……といったような曖昧な操作をしなくなるので処置の正確性が増し、安全性も高まり、手術の完成度の向上につながるのです。広い視野で肉眼以上の映像が見えているわけですから、医師にとっては手術そのものが怖くなくなる感覚があるでしょう。

 また、モニターだけで患部の超高精細な画像を確認できて、処置している箇所を自分でのぞきこまなくても済むので、一定の姿勢で手術を進めることができます。姿勢の変化が少ない分、手術そのものが楽になる印象です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース