「脂質」を減らしてアンチエイジングは幻だった…科学的にエビデンスなし
カロリーを減らすのが無理ならば、総カロリーは減らさずに3大栄養素のどれかを減らしてみたらどうだろう?
やり玉に挙がったのが「脂肪(脂質)」でした。脂肪は高カロリーです。熱量は1グラム当たり9キロカロリーで、炭水化物やタンパク質(どちらも4キロカロリー)と比べて2倍以上もあります。食材の脂質が血中コレステロールの濃度を高めて、動脈硬化を引き起こすともいわれていました。水と比べてドロッとしていますから、取り過ぎると「ドロドロ血」になると、本気で信じた人も大勢いたのです。
そうした背景もあって、2005年に厚生労働省が出した「日本人の食事摂取基準」では、1日の脂質量に強い制限が課せられました。有名な「卵は1日1個まで」は、この時に出てきた標語です。基準値を守るためには、卵はむしろじゃまで、本音は「食べるな」だったのです。ほかにも、イカ・タコ・エビ・貝類なども、コレステロールが高いという理由で、好ましくない食材に放り込まれました。