著者のコラム一覧
王瑞霞医学博士、中医師、鍼灸師

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。中国山東中医薬大学卒業。中国北京中医薬大学大学院修了。日本大学医学部医学博士。鍼灸師、登録販売士。

不調はあるのに検査では異常なし それでも治療をしてもらえる?

公開日: 更新日:

 どこか体の調子が良くないから病院で検査を受けてみたら、やはりこれといって異常もない。そんな経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 このように病院検査で異常は認めないが、本人は時として結構つらく感じている病態を機能的疾患と呼ばれます。例えば虚弱体質、心身症、不定愁訴、不安神経症、冷え症などの不調がこのカテゴリーに入ります。

 西洋医学でははっきりとした病名は付けられないため、相応した治療も行われないことが多いのですが、それらを得意とするのが東洋医学であり、時として非常に優れた治療効果を上げることも少なくありません。

 また、女性の生理関連症状、更年期障害、逆子治療や産後の不調などに、鍼灸も漢方薬も、いにしえの時代から高い治療効果を発揮してきました。

 なお、鍼灸治療に関していえば子供の場合は、小児専用の小児鍼もあり、小児の不調を治す専門の鍼灸院もあるほどです。

 さらに近年などは、更年期障害の標準治療に漢方薬が取り入れられるなど、認知度も高まってきていますし、これから訪れる超高齢社会においても、加齢と共に起こるロコモティブシンドローム(歩行困難などの運動器機能不全)などの不調に対しても、鍼灸やマッサージなどの治療は高齢者の生活の質(QOL)の向上に貢献するものと期待されています。

 そして、漢方薬は西洋医学の薬に比べて少ない種類で多臓器疾患に対処できるため、毎日たくさんの種類の薬を服用しがちなそのような高齢者にとっては、服薬の負担を減軽することにもなる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…