「文章の指紋」によって他者が書いたなりすましはバレる!
では、どのようにして見破るのか──。先述したように、文章にも癖があるからこそ、バレてしまうのです。句読点のタイミングや助詞の使い方などには、それぞれに個性があります。我々の世界では、「文章の指紋」と呼んでいるのですが、個人の文章の特徴を集め、アルゴリズムやビッグデータ解析などによって、その人にしかない特徴を浮き彫りにすることができるのです。人の文章を見返してみると、「人となり」ならぬ「文字となり」のような個性があるんですね。
また、日本語は「ひらがな」「カタカナ」「漢字」「アルファベット」を使い分ける言語ですから、その組み合わせにとても個性が出やすい。デジタルで作られた文章だからこそ、手書きより条件が安定しているため、解析がしやすいのです。
皆さんも、メールやメッセージアプリを通じて、「この人はやたらと絵文字を使うな」「フランクな文面が多いな」といった印象を抱くと思います。それゆえ、その人を真似やすいと考えるのですが、ビッグデータ解析を通すと、高い精度で本人ではないという差異が現出します。