NYだけではない…山火事による大気汚染で健康リスクが高まる理由
カナダの山火事の影響によるニューヨークの深刻な大気汚染は、世界に衝撃を与えました。
今回の大気汚染はアメリカ北東部から中西部にかけて広がり、1億人以上が影響を受けました。ニューヨーク市内では7日水曜日、真昼にもかかわらず空が暗いオレンジ色になり、多くの人がマスクなしで外にいられない、目が痛いなどの症状を訴えました。この時点でAQI=エアー・クオリティ・インデックスは460と、危険レベルの300を大きく超えて、世界の大都市の中でも最悪でした。ちなみに東京では、健康的とされる50以下が通常です。
しかもこの煙はPM2.5という非常に微細な粒子で、呼吸と共に体内に入ると肺や心臓など奥深くまで届いて、重い疾患を引き起こします。そのためこの日のヤンキースの試合やブロードウェーの公演が、一部中止になったほどです。
さらに大きな問題は、こうした山火事による大気汚染が、今後世界中に広がる可能性が高いことです。
山火事自体は珍しいものではありませんが、地球温暖化による高温で乾燥した気候でさらに発生が頻繁に、大規模になっています。今年は早い時期から気温が上がったことで、カナダでは400以上の山火事が連鎖的に起こり、半分以上はまだ鎮火の見込みも立っていません。国連環境計画はこうした山火事の数が、2100年までに世界で1.5倍になると予測しています。