正しい「嚙み合わせ」は健康寿命を延ばす 高齢でも放置してはいけない
「また、患者さんには開口訓練も指導しています。ベッドの前に『絶対に噛まない』などと書いた紙を張っておき、何度も繰り返し唱えてから寝ると、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりを防げるようになります」
残存本数が少ない高齢者の場合には、自分に合った入れ歯やインプラントを装着して噛み合わせを改善するのが効果的だという。
「厚労省の研究によると、歯の本数が少なく入れ歯もしていない人は、歯が20本以上ある人と比較して転倒リスクが2.5倍高くなると報告されています。人は立ち上がったり歩く際に、歯をグッと食いしばり体のバランスを保っていますが、歯がなければ踏ん張れません。トイレで目が覚めた際の転倒を防ぐためにも、普段入れ歯を装着している人は、睡眠中も装着してください」
噛み合わせの改善は、全身の健康を守ることにつながるのだ。