著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【サバ】頭の働きが良くなり、体内時計のリセットにも役立つ

公開日: 更新日:

 サバの旬は9月から11月ごろで、この時期のマサバを「秋サバ」と呼びます。産卵を終えて冬に備えるためにエサをたくさん摂取するため、脂の乗りが良く大変美味です。ゴマサバはもともと脂質が少ないので、一生を通してあまり味は変わりませんが、春から夏にかけてマサバの味が落ちる時期に重宝されます。

 そんなサバには、タンパク質と不飽和脂肪酸が豊富に含まれており、特に脂の乗っている秋サバにはDHAとEPAが多いのが特徴。冷たい海にすんでいる魚の脂に多い脂肪酸ですが、これは低温状態においても固まらない性質を持っているからで、まさにサバもそのひとつです。

 DHA・EPAは血液循環を向上させる効果を持ち、心血管の健康維持に寄与します。また、脳の機能向上や生活習慣病の予防、体内時計のリセットにも重要な役割を果たす栄養素です。

 低出生体重児の赤ちゃんを対象にした実験では、DHAを含んだ乳を摂取した場合、しない場合と比較して知能指数の向上、成長後も学習能力や集中力の向上に関係することが報告されています。また、100グラム当たりEPAとDHAが8.82グラム含まれるサバを食べさせたところ、血液循環に関する病気のリスクが改善したり、高血圧症の方がサバ缶を2週間食べ続けたことで、血清中の脂肪やリポプロテインの量や血圧が改善したことも報告されているのです。

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