著者のコラム一覧
清水俊彦東京女子医大脳神経外科客員教授

東京女子医大脳神経外科客員教授。「汐留シティセンターセントラルクリニック」の頭痛外来には全国から患者が訪れる。

ふわっとしためまいに襲われたら「てんかん性片頭痛」の恐れあり

公開日: 更新日:

 片頭痛は脳が異常な興奮状態に陥ることで起きる病気。じつはこの「脳の異常な興奮状態」が要因になる病気は、片頭痛だけではありません。「てんかん」もそうなのです。

 てんかんの原因は、大脳の一部の局所(焦点)から瞬間的に起きる異常な放電です。この放電を受けると、周囲の脳細胞が大きなダメージを受けることを防ぐために意識を消失させる。つまり、大脳がこれから起きる危険を察知し、瞬時に脳内をシャットダウンさせるんです。ちょうど落雷時に家のブレーカーが瞬時に落ちて停電してしまうのと同じです。

 てんかんと片頭痛は、もちろんまったく別の神経疾患です。しかし「一過性・発作性の脳の病気」という点は共通しています。どちらも脳の異常な興奮状態で起きてしまうのですが、これがてんかんの原因としては知られていても、片頭痛の原因も同じであることはまだまだ世の中には広く知られていないと思っています。

「そうはいっても、片頭痛で意識を失うことはないでしょう?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。でも、そうではないのです。慢性的な頭痛に悩まされながらも、専門医にかかったり脳波の検査を受けたりせず、市販の鎮痛剤を飲んでその場だけをやり過ごす。この繰り返しが長期間続くと、脳の異常な興奮状態がだんだんと大脳全般に及んでいってしまいます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇