高血圧治療専門の医師が教える「本当に血圧が下がる食べ物」
なすで初めて改善効果の機能性表示が認められた「高知なす」
渡辺医師が今着目しているのがカラハリスイカ。アフリカのカラハリ砂漠で生まれた野生種スイカで、超乾燥地帯の過酷な環境で育つことから、近年その含有成分の人間への機能性が注目。大学や企業で研究が行われている。サプリメントも複数販売されている。
「カラハリスイカにはシトルリンというアミノ酸が含まれていて、これが体内に入るとアルギニンに転換され、一酸化窒素が生成され血圧低下に働く。シトルリンは一般的なスイカにも含まれていますが、カラハリスイカのシトルリン量は非常に多く、ほかの成分との相乗効果で強い血圧低下作用を発揮するとみられています」
渡辺医師は、あるメーカーのカラハリスイカサプリメントを自己責任で規定量の2倍飲んだ。2カ月後、7日間測定すると上の血圧が平均して低下。渡辺医師の話を聞いて自ら始めた10人以上の高血圧患者も、平均10ほど下がったという。
「これらの患者さんは、カラハリスイカを飲み始める前後で塩分摂取量が変わっていない。純粋にカラハリスイカの作用だと考えられる」
血圧を下げる成分としてコリンエステルがある。なすに特に多く、中でも高知県産の冬春なす(高知なす)に多い。生鮮なすとして初めて、血圧改善効果の機能性表示が認められている。
「『高知なす』は血圧を下げますよ。ただ、毎日食べるのは大変という人もいる。そこで、なすのコリンエステルのサプリメントがあるので、試してみたら、2カ月で3ほど下がりました」
こうしている現在も渡辺医師は血圧の変動をチェック。日常に取り入れるといい血圧低下アイテムを探索中だ。
▽渡辺尚彦 日本内科学会認定内科医。日本高血圧学会専門医。日本循環器学会専門医。「ズボラでもみるみる下がる 測るだけ血圧手帳」(アスコム)など高血圧関連の著書多数。