早期乳がんと診断されたら… 「再発スコアプログラム」が保険適用になった
しかし、それだけで決めにくい場合が少なくない。「オンコタイプDX乳がん再発スコアプログラム」で得た結果は、その判断材料になる。
■世界各国で実施され米臨床腫瘍学会は強く推奨
このプログラムは、2004年からアメリカで行われていた「オンコタイプDX」という乳がん再発スコア検査に、日本向けに開発されたソフトウエアを組み合わせた医療機器。「オンコタイプDX」は、乳がん組織に含まれる21個の遺伝子を調べ、各遺伝子の発現状況から0から100までの数字で表される再発スコアを算出する。
「この検査は世界各国で受け入れられています。例えば、ASCO(アメリカ臨床腫瘍学会)では、(一定の条件を満たす乳がん患者に対して)強く推奨され、臨床リスクにかかわらず推奨され、エビデンスの質も高いとしています」
乳がん組織の遺伝子を解析し、抗がん剤治療が必要かどうかの判断の補助にする検査はオンコタイプDX以外にもあるが、保険適用ではなく高額。オンコタイプDXも40万~50万円ほどしていた。保険適用になり、金額面でのハードルが低くなった意義は大きい。
なお、「オンコタイプDX乳がん再発スコアプログラム」の対象となるのは、「早期」「浸潤性」「ホルモン受容体陽性・HER2陰性」「リンパ節転移がない、または微小転移、または転移が1~3個」に該当するケースになる。これらに該当し、検査を希望する場合は主治医に相談を。