進行性大腸がんの50歳男性の「最後の願い」をかなえるために
在宅医療を開始された50歳の男性。進行性大腸がんで、肝臓、リンパ節、骨へ転移。がんの進行が速く、いつなにがあっても不思議ではない状況でした。
最終的に在宅医療を選ばれた理由は、ただただ病院での入院生活では話し相手がおらず寂しいといった素朴で切実な理由。
そしてなるべく早く退院し、1週間ほどパートナーと自宅で療養生活を送った後に、高齢ながらもご健在なご両親の待つ、生まれ故郷の東北に帰りたいという思いもお持ちでした。
患者さんの最後の願いをかなえようと、同居するパートナーの方は、対応してくれる医療機関や訪問看護などを必死に探したといいます。入院先の病院や訪問看護の方々も一丸となって協力。ご両親も東北地方から上京し、マンスリーマンションを借りて診療に同席、看病をすることになりました。
「口から胃、胃から腸、腸からその先って感じで症状が分かれているんです。いろいろお薬を出してもらっていますけど、口から胃はロキソニン(鎮痛剤)、胃から腸はメトクロプラミド(胃腸薬)でよくなります。でも食事をとるのが怖くてあんまり食べれないですね」(本人)