新井平伊順天堂大学医学部名誉教授
１９８４年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、２０１９年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。１９９９年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。２０１９年、世界に先駆けてアミロイドＰＥＴ検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない１８の方法」（文春新書）など。
料理も掃除も洗濯もしてもらえて生活は楽になったけど…
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歯磨きも、自分でやってもらう。やっぱりこれも時間がかかるが、ぐっと我慢。夜だけは、夫が自分で歯磨きを終えた後、もう一度Aさんがきれいに磨き直す。
「一度でも私がやってしまうと、やってもらえると思って夫は二度と自分でやらなくなる。とにかく時間がかかるから、デイサービスの日は迎えが来る2時間半前に起きて用意しなくてはならない。でも、洋服の脱ぎ着で体をひねったり曲げたりするからか、腸が刺激されるみたいで、夫は便秘になったことがほとんどなかった。毎朝、快便」
Aさんの夫は、数年前に他界した。「夫が認知症になってからも、いろんな人の手を借りて、一緒にあちこち出かけた。やれるだけのことはやったと思う」とAさんは言っていたそうです。
