失語症からの回復を目指す医師はどんなリハビリに取り組んだのか
脳梗塞による失語症の障害が残ってしまった50代の男性医師Cさんが取り組んだリハビリと、本人が感じたことについて、さらに詳しくお話しします。
発症から3日目、SCU(脳卒中集中治療室)での生活も3日目となり、やっとリハビリ治療がスタートしました。まずは言語療法です。
Cさんは聞くことによる単語の意味の理解のテストは満点でしたが、読むことは簡単ではなく、単語を読むことができるだけの状態でした。「犬」は理解できるのですが、「いぬ」と「イヌ」というひらがなとカタカナでは理解できませんでした。このことから、漢字はイメージとして理解しているようだと感じました。
発症から4日目、SCUから一般病棟へ転室となりました。理学療法も始まり、麻痺がないためバイク漕ぎなどを行いました。言語療法では「計算」に挑みましたが、1の次が2なのかがわかりません。このため、「1+2=3」が理解できませんでした。掛け算の九九はできるのですが、計算の繰り上がり、繰り下がりができません。これらから、言葉が話せないだけでなく、高次脳機能障害もあることに気づきました。