自立した高齢者を介護状態にさせないために何が必要なのか?
そしてその分岐点は、還暦である60歳だと考えます。60歳になったら、自分の筋肉量と体力、認知機能をきちんと評価してもらい、今後、維持する目安を40年計画で立てることが不可欠です。ただ、こうした評価と計画は病院では行えません。まだ病気になっていない状態なので、“対象”にならないのです。かといって、介護保険の対象になってから、デイサービスやデイケアでそれらを始めるのでは遅すぎます。
介護状態になる前に、自主管理ができるタイミングで開始する必要があるのです。そうすれば、自分が好きなように、自分のペースで、自分の尊厳を保つことができます。
■「ブレインヘルスタウン産業」が重要になる
では、その役割を果たしてくれるのは“どこ”なのでしょう? それは、医療保険でも介護保険でもなく、50歳以上の方を主な対象にした「スポーツジム」の役割になると思います。
先ほどお話ししたように、高齢になっても介護状態にならず、自立した人生を送るためには、60歳以降は健康に注目することが欠かせません。そのポイントは、筋肉量と体力、柔軟性とバランスをその人ごとに計画して保つことです。この機能をサポートしてくれる拠点が全国にあるスポーツジムなのです。そこで、体と心のカルテを作ってもらうのです。自分の自由と健康を保つために、毎月のジム会費を払うことは、介護状態にならないための上手なお金の使い方だといえるでしょう。