運動器疾患と廃用症候群を予防するためにはどんな対策が必要なのか
ジムのホームページを確認したり、入会体験の際にインストラクターにたずねてみるといいでしょう。
また、加齢とともに進行する脊柱管狭窄症では、歩行障害やADL(日常生活動作)障害を来します。そのため、手術が必要なケースでは、洗練された手術と術後管理を行ってもらえる脊椎外科医を選択することが大切です。こちらに関しては、「いい医者連携」について取り上げる次回であらためて説明します。
■筋力、体力、認知機能を日頃から鍛えておくことが重要
最後は「廃用症候群」の再発予防です。廃用症候群とは、病気やケガの治療のために1週間以上安静にすることで、心身機能が大幅に低下する病態です。筋肉や骨の萎縮、体力や心肺機能の低下、呼吸や嚥下障害、起立性低血圧や深部静脈血栓症などの循環器障害、褥瘡などの皮膚障害、抑うつなどの精神障害や認知機能低下が起こるケースもあり、寝たきりの大きな原因になります。
若年者でも後遺障害の発生後に適切なリハビリ治療を受けなかった場合に生じますが、ほとんどは高齢者で頻発します。高齢になるほど発生しやすく、75歳以上になると1週間の安静臥床=寝たきり治療で必発します。ですから、病気やケガの治療を行う救急・急性期病院でも、最低1日4単位(1単位20分×4=80分)以上のリハビリ治療を受けることが望ましく、可能であれば1日6単位(120分)以上のリハビリ治療が必要です。