重い物を持ち上げたら、太ももから足の指先までしびれが走った
その患者さんは足から臀部と腰にかけての痛みとしびれを訴え、来院した55歳の男性の方でした。
20代半ばから30代にかけラグビーをされていたためか、当時から首の痛みと、軽いしびれを抱えておられる上に、仕事柄、日常的に重い物を持つ機会が多かったということでした。それが8年前にいつものように重い物を持ち上げたとき、突然両側の太ももから足の指先にかけいつもと違う鈍い痛みとしびれが走ったといいます。
そのうち歩くだけで足の裏がしびれ出したため、近くの整形外科を受診。脊柱管狭窄症と診断され、圧迫を受けている脊柱管を広げる椎弓切除術を実施したとのこと。徐々に痛みがなくなったものの、左下肢だけにしびれが残ったため、今度はしびれ専門の脳神経外科を受診。そこでは保存的治療のみにとどまり、いまは半年に1回ブロック注射をしながら、鈍い腰痛としびれを抱える毎日ということでした。
ブロック注射は患部に直接麻酔薬を注入するもので、いろいろな目的がありますが、患部の筋肉をほぐし、血流を改善させ傷んだ神経や筋肉を効果的に回復させることも期待できる自然治癒力をサポートする治療法です。